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■JITTERBUG STORY



 ※記述等は個人的な推測の部分も多くあります、間違っていたらごめんなさい。ご指摘等ありましたらお知らせください。


 導入期

 ジッターバグが発売されたのは、今から約70年前の1938年。 フローターダイバーの失敗作から生まれたという誕生話も
 有名です。最初期のものは5/8oz sizeでウッド製でした。ハーフボールと呼ばれる半円型のリグで、ボディは現在のもの
 より少し大きめでした。

 2年後の1940年には、「peanut」と呼ばれる、ひとまわり小さい 3/8oz sizeが同じくウッド製で発売されました。

 (3/8oz sizeは、初めは小さめのシングルフックモデルで、のちにひとまわりボディが大きくなったものが発売されたよう
 です。戦後のプラスチック製から、また少し小さくなっています。)

 その後、ウッド製とプラスチック製とが並行する移行期を経て、スタンダードサイズは43年頃に、ピーナッツサイズは終戦
 頃にウッドからプラスチックに変っていったようです。

 「Pre.WWU」と呼ばれる、導入期のジッターバグは丁寧な仕上がりで完成度が高く、大人の遊び心を刺激する、楽しい
 アート作品のようです。


 第2次世界大戦期

 1942年からは、「WWUモデル」と呼ばれるカラフルなプラスチックのリップと簡素なリグが特徴のジッターバグが発売され
 ました。戦時下の金属不足が理由ですが、その時代背景やカラーデザインから、特に人気の高いモデルとなっています。


 成長期

 アーボガスト氏が1947年に亡くなり、終戦から数年間は刻印のないカップや太めのボディ、BOXの変更、リグの変更など、
 不安定な時期がありますが、1950年代も後半になるとほぼ安定した生産が続き、種類やカラーもどんどん増えて多様化
 していきます。

 50年?に1/4oz(スピニングサイズ)が、61年には 1/8oz(ウルトラライトサイズ)が発売されました。またサイズ以外にも、
 64年には、ジョイントタイプ、78年にはウィードレスタイプ、85年にはジッタースティック、88年にはジッターテイルが発売
 されました。

 サイズ・種類以外にも、63年にウィードガード付きのフックが、79年にはSIBシリーズが、80年にはLimited editionが、90
 年にはクリアーリップが発売されました。(後述) 

 また、プレスアイ(出目)も、1977〜78年頃に現行のような凹んだ目に変っていきます。同時?に、プラスチックの成形も
 「縦割れ」と呼ばれる方法から「横割れ」と呼ばれる方法に変っていきました。

 1990年代後期までの数十年間は、工程の簡略化、中国での大量生産などアメリカ経済の発展に合わせて成長していき
 ます。


 衰退期?

 1997年にフレッドアーボガスト社はプラドコ(エビスコ)の傘下となりますが、ナマズブームの影響もあり日本におけるジッ
 ターバグは、衰えるどころか、以前にも増して人気のようです。

 2000年代に入ってからは、SIBシリーズの復刻版やナマズ釣り仕様の専用モデル、メーカーオリジナルカラーの発売など、
 付加価値をつけた商材としてのジッターバグが消費者に向けて発信されています。




■HOOK HANGER



 上の写真はジッターバグのリグ(フックハンガー)の推移です。

 1st style のリグは、「ハーフボール」と呼ばれていて、38年〜41年までのウッドボディに使用されました。
 2nd style〜6th styleは、42年〜46年頃の第二次世界大戦のプラスチックリップを中心に使用され、
 7th style〜9th styleは、違いが微妙な感じですが、終戦前後〜50年代頃にかけて使用されたと思われます。
 60年代頃からは、10th styleで安定しています。

 上の写真のほかに、ワイヤーがループ状になったリグもあるようです。
 また、現行品の1/4ozサイズのフロント側フックは、ヒートンで直接取り付けられていますが、90年代頃までは、リア側の
 フックと同じように、「ベルリグ」と呼ばれる、ベルカバーのようなリグで取り付けられていました。




 上の写真(左)は5th style のリグです。写真(右)は、フロントが5th style で、リアが2nd style のものです。
 大戦期のものにたまに見られるのでオリジナルだと思います。




 1940年〜終戦頃まで作られたウッド製のピーナッツ。
 やや小さめで丸っこい前期のもの(写真左)と、スリムになった後期のもの。(写真右)。

 この5th style のリグは、3・4th style よりも比較的古いタイプのモデルに使われているような気がします。
 5th style と呼ばれていますが、もしかしたらこれが3番目のリグなのかもしれません。




 5th(3rd?)styleの真鍮バージョン。2th styleでも真鍮製を見たことがありますが、
 オリジナルかどうかわかりません。
 ジッターバグのパーツは直ぐに外せるので、リップやリグを交換してあるものをよく見ます。
 また、リペイントやリプロダクトなどもたくさんあるので当時のままかどうかの判断は非常に困難です。




 終戦後すぐの頃と思われる7th(8th?) styleの真鍮バージョン。
 真鍮リップ(後述)の折り曲げ前のものが組み合わされたプロトタイプのようです。
 製品化されなかったためか、真鍮を身に纏ったジッターバグはどことなく神秘的に感じます。




 同じく真鍮製の10th styleリグと成型用の金属プレート。
 部品を作る過程が垣間見えます。ただの「金屑」ですが、長いジッターバグの歴史の中で、
 昔の工場で使われていたと思うと大変に魅力的です。




 1940年代初めに発売された2nd style リグの、ウッドボディの塗装をはがしてみました。
 一度石膏のようなものでカバーされた後、大変丁寧に塗装されていました。




 こちらは後年凹み目モデルのリグ取り付け前のブランク。きちんと下穴があけてあります。




■LIP



 こちらはリップ(カップ)の写真です。

 初期のものはリップを止めるスクリューがまっすぐに並んでいます。
 これは「バーチカル(縦型)タイプ」と呼ばれていて、いくつかのウッドボディと、1941年頃に発売されたプラスチックボディ
 に見られます。

 以後スクリューがずらして取り付けられているのは、リップをボディに対してわずかに非対称にすることで、着水後スムー
 ズに泳ぎ出しが行えるためのようです。

 写真下段はプラススチック製のリップ。第二次大戦期のもの4色と、1990年発売のクリアーのもの。




 リップには3つのパテントナンバーが刻まれています。

 1つ目のナンバー「2207425」はジッターバグの代名詞ともいえるリップ(カップ)を中心にしたパテントで、取得は1940年
 です。左の写真はそのパテントの証明書の写しです。
 2つ目のナンバー「2261867」は第2次スタイルのリグの形状を中心にしたパテントです。取得は1941年です。
 3つ目のナンバー「2429339」は第6次スタイルのリグの形状そのものに対するパテントです。取得は1947年です。

 リップにパテントbェ入るのは、終戦後の40年代終わり〜50年代はじめくらいの間だと思います。
 また、理由はわかりませんが、1940年代初め頃と、終戦頃に、全く何の刻印もないリップも存在しています。




 写真(左)は曲げ加工前のリップと穴あけ用のパンチ。この平らのプレートを凹みのある金属台に置き、
 丸みのついたハンマーのような道具で叩いて成型していたようです。
 写真(右)も同じようなリップの金属部品。こちらはネジの位置とパテントの有無から、1/4ozサイズの後期
 (フックハンガーがヒートン直付けのもの)のリップだと思います。前期の1/4ozサイズ(フックハンガーが
 お腹もベルリグタイプのもの)にはリップにパテントが入っていたと思います。




 1940年〜42年頃のウッドのピーナッツのリップ。刻印はなく、穴あけに失敗したような痕跡が
 残っています。そのまま市場に出したものだと思います。
 工場移転などで忙しかったのか、大戦の影響なのか、
 一時期完成度の低い雑な時期があったのかもしれません。




 こちらは真鍮製のリップ。1960年代のプロトタイプのようですが詳しいことはわかりません。鈍く輝く真鍮の美しい質感が、
 ウッドやダークカラーに似合いそうです。

 アイをつけて泳がせて見ましたが、アルミよりも重くカウントダウンのように沈んでしまい、使いにくかったです。
 丈夫なものを作りたかったのか、コストが安かったのか、光の反射具合がよかったのか、ゴールドっぽいカラーデ
 ザインにしたかったのか・・・。




 ラインアイも現行品は少し変化しています。正確な時期はよくわかりませんが、プラドコ期くらいから写真のように円の部
 分が、よりまん丸に近い形状になっています。




■ROGO MARK



 背中に「JITTERBUG」というステンシルのロゴマークが入るのは、1941〜42年頃だと思います。
 ウッドボディと、初期のプラスチックボディには入っていませんが、プラスチックリップモデルくらいからロゴが入ります。
 ロゴの色はボディの色に合わせて決まっています。レッドヘッドの場合、ロゴのステンシルもレッドです。






 最初の頃には現在と異なる色や字体のものも見られます。
 写真(上)はロゴのステンシルがシルバーのもの。
 写真(下)はロゴのステンシルがシルバーで、さらにフォントも少し異なります。
 「T」の部分をみると、普通は「Helvetica体」のような「T」ですが、こちらはちょっと力強い「Century体」のような「
T」です。
 1942年頃のものだと思いますが、カップに刻印もなく、詳しいことはよくわかりません。




 初期の2Hookモデルのマスキーもこっちの「T」です。





 
 こちらも同じく力強い「T」でおなか部分に「JITTERBUG」とステンシルされた、WWUモデルのフロッグカラー。
 “Name on Belly”と呼ばれています。




 “Name on Belly”のちょっと変わったタイプ。リップの刻印はありません。




 珍しいウッドボディのロゴ入りタイプ、かなりいい感じ。




 こちらは「FRED ARBOGAST」のロゴが入ったもの。リップの刻印はありません。




■BOX



 ボックスは、90年頃にカードボードのパッケージに変るまではアーボガスト社のカンパニーカラーである黄色で統一され、
 写真のように少しずつ変化していきます。


 「1st style」       セロハンの窓がついたもので、「Window Box」と呼ばれています。38年〜41年頃のウッドと最
                 初期のプラスチックに使用されたと思われます。

 「2nd〜3rd style」   「Picture Box」と呼ばれる人気のBOX。大戦中の42年〜46年頃に使用されたと思われます。

 「4th〜5th style」   終戦前後〜50年くらい。割と数が少ないのであまり長い期間は生産されていないと思います。

 「6th style」       50s〜60s。割と数が多いのである程度の期間は生産されていると思います。

 「7th style」       60s〜70s。5/8ozと、3/8・1/4ozとで多少デザインが異なります。

 「8th style」       80s〜90s。割と数が多いのである程度の期間生産されていると思います。




■BOX(Others)



 マスキー用のボックス。おそらくマスキー用としては2番目のタイプで、終戦後48年頃に発売された、3HOOKのウッドモデ
 ルに使われたものだと思います。




 マスキー用のボックス。ウッドモデルに使われたもの。




 マスキー用のボックス。プラスチックモデルに使われたもの。




 1/8oz用のブリスターパッケージ。(?年頃の発売)




 1/4oz用のスライド式カードボードのもの。(1960年代前半頃の発売)




 カプセルに入れられているような横向きのジッターバグがユニークです。黒と黄色のコントラストが効いたデザインで、
 イラストやプライス表示も◎。(1971年頃の発売)




 ★★★ とても珍しい、1/8ozのダース状態のデッドストック。鈴なりのジッターバグが駄菓子屋さんのくじびきのようで
 懐かしい雰囲気。(1960代後半〜70年代前半頃の発売)




 ポケットカタログの付いていない、やや大型のもの。(1978年頃の発売)




 プラスチック同士で挟むようになったボックス。イラストは社長のディック・コティスさん。(1983年頃の発売)




 上と同じようなデザインでカードボードのもの。量販店「Kmart」のプライスがはってありました。(1980年代頃の発売)




 こちらはセロファンのついた簡素な黒いボックス。(1990年前半頃の発売).




 1世代前の黒いカードボードのもの。(1991年の発売)




 上と同じようなデザインで黄色いラインのないもの。(1990年代頃の発売)




 プラドコ期くらいからの現行品パッケージ。(1990年代後半頃〜)




 小さいサイズの遊びをなくすため?プラスチックが2段階になったもの。(1990年代の発売)




■POKET CATALOG





 BOXに入っていたアーボガストルアーのミニカタログ。初期はモノクロで、50年〜60年代ごろからカラーにかわります。




■AD



 導入期にアウトドア雑誌にうたれたジッターバグの広告です。モノクロが1939年、カラーが1941年のものです。
 広告のデザインも面白く、発売当時の様子が伝わってくる楽しい資料です。

 以下モノクロ広告より抜粋
 (try my new, busy surface dancer
 If she isn't the best top water bait you ever used, what in h・・・ is? the big double lobed spoonattachment not only
 makes the baitwobble but creates a loud paddling sound, very noticeable to the bass, especially on a quiet night.)




 モノクロ広告の上のリールは、フランスのぺゾン・エ・ミシェル社のルクソールというもの。(写真左)。
 このルクソールをヒントに有名なAIREXのマスターリールが誕生したそうです。(写真中央)。
 一番右はミッチェル314。まん丸ボディのコレクション。

 昔、ヨーロッパのバイクはどこまでもつや消しの仕上げがおしゃれで、アメリカのバイクはぴかぴかに光らせるのがおしゃ
 れなのだと聞きましたが、釣り道具にも通ずるようです。




 まんまるリールのなかで最高のデザインだと思うのが、1930年代にイギリスで発売された「ALLCOCK STANLEY」です。
 円盤状のつや消しの金属の質感に、あたたかみのある大きめのハンドルノブと、ラインを引っ掛ける棒状ベイルがアクセ
 ントになって、曲線の優美さ、ユーモラスな美しさ、そして気高さを併せ持っているような、非常に洗練された印象だと思
 います。

 ボディとスプールのバランスが、オーディナリー型とよばれる、極端に大きな前輪と小さな後輪の古い自転車のような雰
 囲気で、くるくると楽しい気持ちも廻ります。




 スピニングリールの祖「ILLINGWORTH No 3」。
 丸見えのギアや、穴の並んだスプールドラグがオールド心をくすぐります。




 もうひとつ好きなリールを。ABUカーディナルシリーズの源流、スイスのレコードリール。
 これは「RECORD600」。同年代のものでも「500」はハーフベイルがすごくカッコいいけれど
 ロゴがおさかなマークではなく、「700」はおさかなロゴだけれどフルベールが最新鋭すぎ。
 なのでこの「600」がちょうど良くて一番好き。






 こちらの写真はアーボガストルアーのカタログです。

 【上】 1941年
 裏表紙はジッターバグの当時のカラーチャート。(写真左)
 表紙がカラー、中身はモノクロで全部で15ページあります。ピーナッツ・スタンダード・マスキーのイラストや、釣行の投稿
 写真なども掲載されています。

 【下】 1942年
 ジッターバグが表紙です。中身は41年と同じモノクロで、フレッド・アーボガスト氏本人の釣行写真も掲載されています。


 古い紙媒体はなぜかとても魅力的で、印刷の雰囲気や紙の質感が楽しい気持ちにしてくれます。







       



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